ハラスメント対策に関する声明(新年度にあたって)

2025-04-30

本学においては、一昨年度および昨年度にハラスメント事案が発生し、それにより学生をはじめとする多くの関係者の皆さまにご心配とご迷惑をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。

とりわけ、被害に遭われた方々には、心身にわたるご負担と苦痛をおかけしましたことに対し、心よりお詫び申し上げます。皆さまが安心して学び、働くべき場で、こうした事態が生じたことの重大さを真摯に受け止め、大学としての責任を痛感しております。

本学は高等教育機関として、人権と人格の尊厳を尊重し、すべての学生・教職員が安心して学び、教え、研究に取り組める環境を整備することを、改めてここに誓います。

こうした環境の再構築に向けて、本学ではハラスメント防止・対策委員会が中心となり、全教職員がすでに以下のような具体的な取り組みを実施・準備しております:

  • 相談体制の強化:今年度より、ハラスメント相談員を増員し、相談しやすく、プライバシーが十分に守られる体制を整備しました。学生向けには本声明に先行するかたちで、相談窓口の案内を発信いたしました。

  • 学生向けガイドラインの策定:ハラスメントの定義や相談手続き、再発防止のための基本的な考え方を明記した「学生のためのハラスメントに関するガイドライン」は、すでにほぼ完成しており、今後教授会での確認を経て正式に運用を開始いたします。これをきちんと運用していくために、教員間でガイドラインの理解を深めるための取り組みを進めております。

  • 教員向けのハラスメント防止に向けた取り組み:ハラスメントが教員と学生という力の不均衡が存在する関係性のなかで発生しやすいという点を教員一人一人が重く受け止め、ハラスメントに対する基本的な考え方やハラスメントをおこさない環境づくりについての知見を教員間で共有します。ハラスメント防止と授業方法の改善の双方から、全専任教員による学び合いの場を学期に1回以上設置します。

  • 初年次教育における実践的学び:全新入生が履修する「教養演習」では、ハラスメント事案のモデルケースを題材に、学生が自らの言葉で問題を考え、他者と対話しながら、被害者としての視点のみならず、加害者にならないための配慮についても学ぶ機会を設けています。

  • 人権教育の強化:本学の教育全体を通じて、人権意識と相互尊重の価値をいっそう明確に位置づけ、教育活動における継続的な啓発と理解の促進を行ってまいります。

なお、ハラスメント事案の対応にあたっては、プライバシー保護を最優先とするため、情報の開示には限界があることをご理解いただきたく存じます。しかしながら、本学は、非常勤講師を含むすべての教職員や関係者の皆さまに対し、説明責任を果たす姿勢を大切にし、今後は可能な範囲で、組織としての対応方針や取り組みの経緯を丁寧に共有するよう努めてまいります。

また、公立の教育機関として、本学は多様な価値観を尊重し、すべての人が安心して暮らせる社会の実現に貢献する責務があると考えています。大学が率先して包摂的な社会のモデルを示すことは、未来を担う若者を育む場として不可欠です。

新年度を迎えるにあたり、誰一人として疎外されることのない、誰もが尊重される、安心な学びの場を実現するため、全学で取り組んでまいります。

令和7年4月
大月市立大月短期大学